皇后エリザベートが愛した「星」が新宿に|A.E.ケッヒャート期間限定ショップにアクセサリーマリコが並びます(9/30〜10/6 新宿髙島屋)

2026年9月30日から10月6日まで、新宿髙島屋2階イベントスペースに、ウィーンの宮廷ジュエラー「A.E.ケッヒャート(A.E. Köchert)」の期間限定ショップが登場します。

ハプスブルク家に仕えた帝室・王室御用達の宝飾商。皇后エリザベート、愛称「シシィ」が髪に散らした星の髪飾りを生み出したメゾンです。宝塚歌劇『エリザベート』をご覧になった方なら、あの星をご存じのはずです。

そしてこの会期に、アクセサリーマリコも並びます。ケッヒャートのジュエリーに合わせていただけるチェーンと、エリザベートが愛した髪飾りをテーマにしたブライダルティアラをご用意しました。

この記事では、まずケッヒャートというメゾンと「シシィの星」の物語をご紹介し、最後にマリコの出店内容をお伝えします。

開催概要

イベント名 A.E.ケッヒャート 期間限定ショップ
会期 2026年9月30日(水)~10月6日(火)
会場 新宿髙島屋 2階 イベントスペース
日本総代理店 一般社団法人 日本・オーストリア国際機構 NEW SYSTEMS JAPAN
同時出店 アクセサリーマリコ(チェーン切り売り・ブライダルティアラ展示)

1814年、ウィーン。ハプスブルク家に仕えた宮廷ジュエラー

A.E.ケッヒャートの創業は1814年。ウィーン中心部、ノイアーマルクト15番地に構えた本店は、今もなお同じ場所にあります。創業からわずか18年後の1832年には、ハプスブルク帝国から「帝室・王室御用達宝飾商」の称号を授与され、以来200年以上にわたりヨーロッパの王侯貴族の装身具を手がけてきました。

現在は6代目にあたるクリストフ、ヴォルフガング、フロリアンのケッヒャート三従兄弟が経営を担い、ウィーン本店の自社工房では、マスター・ゴールドスミスたちが今も当時と同じ手作業で一点ずつ作品を仕上げています。

ケッヒャートは、創業200年以上・創業家による経営継続・健全な財務という厳格な条件を満たした企業だけが加盟を許される国際組織「レ・エノキアン(Les Hénokiens)」のメンバーでもあります。世界でわずか56社。日本からは老舗10社が名を連ねるこの組織に、オーストリアからは2社しか加盟していません。

皇后エリザベートと「シシィの星」― なぜ、ティアラではなく髪飾りだったのか

ケッヒャートの名を不朽のものにしたのは、オーストリア皇后エリザベートとの出会いでした。

1849年、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の専属宝飾商に任命されたケッヒャートは、若き皇后のために27個のダイヤモンドの星を制作します。画家ヴィンターハルターが描いた有名な肖像画で、床に届くほど長く豊かな髪に星々が散りばめられているあの姿。それがケッヒャートの「シシィ・スター」です。27という数は、当時の皇后の年齢と一致するといわれています。

星のモチーフには、こんな逸話が残されています。モーツァルトのオペラ『魔笛』を観たエリザベートは、「夜の女王」がまとう星の装飾に心を奪われたといいます。神秘的で、強い意志を秘めた夜の女王。厳格な宮廷生活に息苦しさを感じていた皇后は、そこに自分自身を重ねていたのかもしれません。その想いを知った皇帝が、宮廷御用達の宝石商に星形の髪飾りを特注した ― それが「シシィの星」の始まりでした。

ここで注目したいのは、エリザベートが選んだのが「ティアラ」ではなく「髪飾り」だったという点です。

ティアラは王朝の権威そのものを頭上に戴く装身具です。対して髪に散らす星は、もっと個人的で、自由な表現でした。彼女は髪に並外れたこだわりを持ち、専属のヘアドレッサー以外には触れさせなかったといいます。自分にとって最も大切な「髪」に、制度ではなく自分自身の象徴として星を飾る。宝塚の舞台でエリザベートが歌う「私だけに」の精神は、彼女が身につけたジュエリーの選び方にも表れていたのです。

髪を飾るということが、これほど雄弁に自分を語ることがある。ヘアアクセサリーを扱う私たちにとって、この一点だけでも心を掴まれる話です。

名前に宿る物語 ― 星を受け継いだ女性たち

ケッヒャートの作品には、ハプスブルク家ゆかりの女性名が冠されています。単なる型番ではなく、星が受け継がれた歴史そのものが、名前に刻まれています。

マリア・テレジア ― 曾祖母の宝石が、シシィのもとへ

「テーレス」「レシ」という名は、女帝マリア・テレジア(1717~1780)に由来します。テレーゼ、テレジアという名を親しみを込めて呼ぶときの愛称が、そのまま作品名になりました。

この名には具体的な理由があります。マリア・テレジアが所有していた衣装用宝飾のエメラルドとダイヤモンド。ケッヒャートは後年、その石を使って、シシィのためにブドウの葉をモチーフとした宝飾セット「ヴァインラウプ・パリュール」を制作しました。同社の社史には、1875年の作品としてそのティアラのデザイン画が残されています。さらにマリア・テレジアが持っていた大きなエメラルドに時計を組み込んだ宝飾品も、1870年代にシシィのために作り直したと伝えられています。

女帝の石が、およそ100年の時を越えて、ひ孫の妻にあたる皇后の手もとで新しい姿になる。宝石を受け継ぎ、時代に合わせて仕立て直すというハプスブルク家の流儀を、これほど端的に示す話はありません。

ギゼラ大公女 ― 秩序と責務を生きた次女

ギゼラ(1856年生)は、エリザベートの次女。その養育は姑である大公妃ゾフィーに取り上げられ、エリザベートは自分の子どもに自由に会うことすらままなりませんでした。宝塚の舞台でも描かれる、あの母子の距離です。

そうした環境で育ったギゼラは、母とは対照的に、宮廷の秩序と義務を淡々と引き受ける人になりました。16歳でバイエルン王子レオポルトに嫁ぎ、第一次世界大戦中は病院の設立や傷病兵の救護に尽力しています。「ギゼラ」の名を冠した星が、華やかさより端正さを選んだデザインであることには、そうした人物像が重ねられています。

マリー・ヴァレリー大公妃 ― エリザベートが手放さなかった末娘

マリー・ヴァレリー(1868年生)は、エリザベートが40歳近くになって授かった末娘です。上の子どもたちを姑に奪われた経験から、この娘の養育には徹底して自ら関わり、旅にも同行させました。

やがて娘が恋愛結婚を望んだとき、エリザベートはこれを認めます。政略結婚が当然だった時代に、母は娘の「私だけに」を尊重した。「マリー・ヴァレリー」の名を持つ作品が、星を継承しながらも輪郭が柔らかく、日常に寄り添う光を放つのは、この母娘の関係がそのまま意匠になっているからです。

オーギュステ ― 二つの王家をつないだ孫娘

「オーギュスト」の名は、バイエルン公女オーギュステ(1875~1964)に由来します。ギゼラの娘、つまりシシィの孫娘です。

ギゼラがバイエルン王家に嫁いだことで、エリザベートの血はミュンヘンへ渡りました。そしてその娘オーギュステは、1893年、ハプスブルク家のヨーゼフ・アウグスト大公と結婚します。二つの王家が、一世代を挟んで結び直されたことになります。この名を冠したネックレスが、大小ふたつの星を上下に連ねた構成であることには、そうした関係を重ねて見ることができるかもしれません。

会場でご覧いただけるケッヒャートの作品

今回の会場では、日本総代理店NEW SYSTEMS JAPANが取り扱うケッヒャートの作品を実際にご覧いただけます。すべてウィーン本店の工房で職人が手作業で仕上げ、鑑別を取得したうえでお届けする受注・予約販売の作品です。

お目にかけるのは全11点。エリザベートの星を受け継ぐ「シシィ・スター」が6点と、ウィーンの工芸技術を現代に生かした「コチネラ」が5点です。

シシィ・スター

「オーギュスト」ネックレスは、40cmのチェーンに直径12mmと15mmの星が上下に連なるYライン。18Kホワイトゴールドに1.01カラットのダイヤモンドを計27石あしらった、今回の主役です。

イヤリング「テーレス」は全長25mm、星の直径15mm、ダイヤモンド38石。今回の耳もとの作品では最も大ぶりです。イヤリング「レシ」は全長23mm、星の直径13mm、ダイヤモンド28石で、より細身のライン。

イヤーカフは4個の星が連なる一点。星の直径を9mm・7mm・4mmと変化させ、耳の輪郭に沿って星が流れていく構成です。大小の星を散らすという発想は、まさにエリザベートが髪にしたことそのもの。あの肖像画に最も近い着け方ができる作品かもしれません。

スタッドイヤリングは2型。「マリー・ヴァレリー」は18Kイエローゴールドで星の直径15mm、「ギゼラ」は18Kホワイトゴールドで直径13mmです。

コチネラ

「コチネラ」はイタリア語で「てんとう虫」。最初に制作した作品の姿がてんとう虫を思わせたことから名づけられました。ウィーン工房で発展した「結び」の技術に着想を得て宝石を組み合わせるコレクションで、1910年代にはガラス玉の装身具にこの技術が用いられ、1990年代から新しい研磨技術によって天然石にも応用されています。

このうち4点は「エクスチェンジャブル」。耳に着ける上部のパーツと、下に揺れる飾りを組み合わせて楽しむシリーズです。色や宝石、長さを変えることで、同じ上部パーツから違う印象のイヤリングが生まれます。ダイヤモンド、18Kホワイトゴールド、淡水真珠、アメジストの4型をご用意しています。残る1点はアメジストのブレスレットです。

アクセサリーマリコも、同じ会場に並びます

この会期に、アクセサリーマリコもご一緒させていただきます。

今回はマリコから選りすぐりのK10イエローゴールドとホワイトゴールドをご用意しました。ケッヒャートのグレードに合わせた人気のチェーンを多数ご紹介いたします。その場でお好みの長さにお仕立ていたしますので、お手持ちのペンダントトップに、あるいはこの日に出会った一点に、ちょうどいい一本をお選びください。

チェーンは、長さが数センチ違うだけで胸もとの印象が変わります。鎖骨に沿わせるのか、少し下げて揺らすのか。実際に着けながら決めていただけるのが、その場でお仕立てする良さです。

あわせて、エリザベートが愛した髪飾りをテーマに、マリコのブライダルティアラを展示いたします。

髪を飾るという行為が、権威ではなく自分自身を語るものであったこと。この記事でご紹介したエリザベートの選択は、花嫁が自分の一日のために髪飾りを選ぶ心持ちと、どこかで通じているように思います。ティアラや髪飾りがお好きな方は、ぜひお立ち寄りください。

マリコのヘアアクセサリーは、ネットショップでもご覧いただけます。

会期中、新宿でお待ちしております

「今もなお、当時の製法で作られている」。この一文の重みは、実物を前にして初めて分かります。ケッヒャートの作品は受注のたびにウィーンの工房で一点ずつ生まれるもので、日本でこれだけの作品を一度にご覧いただける機会は決して多くありません。

購入を前提にしなくても構いません。エリザベートが生きた時代の光を、その目で確かめに来てください。そしてこの秋、宝塚歌劇団 花組による『エリザベート』が宝塚大劇場で10月17日から、東京宝塚劇場で12月19日から上演されます。本物の星を見てから客席に座ると、あの名場面がきっと違って見えるはずです。

会期は9月30日(水)から10月6日(火)まで。新宿髙島屋2階イベントスペースにて、皆さまのお越しをお待ちしております。

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